e-Nikka より、
バンクーバー
遺産さくらを祝う式典
1900年代前半に日本人街として栄えたバンクーバー市のパウエル街。現在は日本人街としての面影は消え、治安も悪くなってしまった街並みであるが、その 一角にあるオッペンハイマーパークでは、今でも春には美しいさくらの花が咲き、夏には日系人最大の祭「パウエル祭」が開かれている。
1977年4月、日系移民百年祭の祝賀行事の一環として、日系カナダ人一世がオッペンハイマーパークに21本の桜の苗木を植樹した。これはカナダ社会での 日本人の歴史を象徴するものでもあり、未来の世代が潤いのある生活を送れるようにとの願いを込めて植えられたものであった。
し かし31年が経過した2008年初頭に、バンクーバー市当局の公園の再開発計画が出され、3本のさくらの伐採が必要だと発表された。このことは同公園のさ くらが持つ歴史的、文化的価値観を大切にしてきた日系人にとっては一大事であり、日系コミュニティー団体などにより「遺産さくら連合」が結成され、市当局 担当者とさくらを保存するための話し合いが続いた。
その結果、2本の関山桜(かんざんさくら)は伐採されたが、 今年2月12日、立派に成長した曙桜(あけぼのさくら)は公園内のほかの場所に植え換えられることとなった。そして4月18日には移植された曙桜を祝っ て、美しく咲き誇ったさくらの木の下で関係者による式典が行われた。
当初、遺産さくら連合と市当局の考え方は相反していた。最初移植を予定していた関山桜が予告なしに伐採され、関係者に強い失望感を与えるという出来事もあった。だから、この日を迎えた人々にとっては感無量のひとときとなった。
式 典では関係者のスピーチや功労者へのプレゼント贈呈、そして琴や太鼓などの演奏が行われ、参加者全員に花見弁当も配られた。また、市がこの公園に先住民を はじめ日系の歴史の記念碑を建てることも約束した。再生計画プロセスに日系人も公式に参加することになる。このイベントは3月28日から行われている「バ ンクーバーさくら祭」のプログラムの一環でもある。
(妹尾 翠)
http://www.e-nikka.ca/Contents/localnews.php?id=20090422150314よりい